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第26回 外国人技能実習生・研修生日本語作文コンクール

投稿日:2018年08月30日
技能実習24期生チャン ヴァン ギアさん(㈱山口製作所)作「毎日の楽しみ」が公益財団法人国際研修協力機構主催『第26回 外国人技能実習生・研修生日本語作文コンクール』において佳作を受賞いたしました。
「毎日の楽しみ」                             チャン ヴァン ギア

パチパチパチと飛び散る火花。金属と金属を付ける光の放射。「溶接お面」から見える光と火花は、先輩と一緒に見に行った日本の花火のように美しいです。溶接の仕事をしている私の楽しみのひとつは、この美しい花火と共に出来上がる製品です。私が初めて作った物は、縦3m横12m重さ7tの大きな箱でした。同僚のダム君と二人で作り2週間かかりました。重いし目も疲れて大変だったけれど、完成した時はとても嬉しかったです。
また、一番思い出深い物は、今はもうベトナムに帰国した先輩達と一緒に作ったベンチです。先輩に教えてもらいながらベンチの脚を私がナットで締めて組立てました。安全に出来たか座って確かめました。ベンチは千手山公園に置いてあります。自分が作ったベンチに座っているのは、どんな人だろう?
そう思うと楽しくなります。
私が日本に来たのは2年前です。時間が過ぎるのは速いです。恥ずかしがり屋の自分が多くのことを学び、大いに成長できたのは会社の人々が手助けしてくれたからです。会長や指導の先生には図面の見方を教えてもらいました。日本に来たばかりの時、漢字の左右上下もわからずに機械のボタンを間違って押してしまったことがありました。その時も指導の先生は優しく、熱心に色々な事を教えてくれました。感謝しています。帰国後にも日本での経験が人生に活かせるようにしっかり学びたいと思っています。また、より良い仕事をするためには日本語をもっと学ぶ必要があると考えています。私の日本での生活も残り1年です。1年しか残っていませんが、日本語検定N3を受けようと思っています。先日、新しい漢字を覚えました。「癒す」という漢字です。私が住む家の近くでは時々かわいい猫を見かけます。猫を見た日は心が楽しくなりますから、それも毎日の楽しみのひとつだと話をすると、猫に癒されるねと「癒す」という漢字を教えてもらいました。難しい漢字でしたが書けました。
「癒す」とは、嫌な事や、寂しい気持ちや、辛い思いが和らぎ、穏やかな気分になるという意味だそうです。
私には後輩がいます。今年の3月にも新しい後輩がベトナムから来ました。後輩が寂しい気持ちになった時に癒してあげられるようになりたいです。そして先輩が自分に教えてくれた仕事のこと、日本の生活のこと、大好きな日本の風景のことなどを、後輩にも教えてあげたいと思っています。そして、「溶接お面」から見える光と火花を見たときに、日本の美しい花火を思い出して毎日が楽しくなるように、先輩と見に行った日本の花火を、今度は後輩と一緒に見に行こうと思っています。